3月11日


なんか、書く気にならないので備忘録として。



あの時、ちょうど会社は休憩時間だった。
事務所(工場の一角)でPC前に座っていて、コーヒーを飲もうとしていた。
最初は遠くから地鳴りがする感じで徐々に大きくなる(突然ではなかった)
以前新潟で大きな地震があったときもこのような感じだったので、また新潟か、もしくは茨城筑波あたりだろうと思った。
まだ、机の上にあったコーヒーカップが溢れないかどうか心配する余裕があった。
・・しかし数秒(数十秒に感じたが?)たっても収まらずますます激しくなり、経験したこと無いレベルの横揺れが始まる。
これはいつもと違うぞと思ったのは事務所内のロッカーから書類が飛び出した時。
すでに手元のカップからコーヒーは溢れていた。
立ち上がって外に出ようとして、ふと思い出す「あれ、地震の時は、屋根とか崩れるから飛び出しちゃまずいのか?」
部下が飛び出そうとするのをとっさに「ちょっとまて!」と制止する(良かったのか?)
頭の中でシミュレートした事が無かった為か、とっさに動きが取れない。
激しい揺れの中、事務所内を半周した(よく転ばなかったものだ)。
まさに「あわわわ・・」という感じか。実際声に出していたかも。
飛び出すのをやめた部下が、また椅子に座わり直そうと苦戦しているのを見て、なぜか笑いそうになる。
天井が崩れてこないかだけが心配で上を見ていたような気がする。
「崩れるぞ!外へ出ろ!」の叫びを聞いて慌てて外へ出た。


工場の建屋の外にはすでに大半の社員が身を寄せ合うように立っていた。
道路や電柱がうねり、めまいを起こしているような感覚。
工場の軒先がガンガン上下に揺れて、根本からバリバリとヒビが入るのを見る。
ガシャーンという大きな音がそこら中から聞こえる。
そして、徐々に揺れが少なくなり、やっと収まるかと思った時
工場内からバーンという音がしてエアーのもれる音がした。
何かのタンクが倒れたのかと思い、爆発する可能性のある物はあったか?と思うが、全部、不燃ガスのはずなので安心する。
実際は、天井のエアー配管が根本から割れた音であった。


揺れが納まり「けが人はいないか?!」の声を聞き慌てて工場内に確認しに行く。
吊りボルトが数本落下している。
材料棚が崩れ、数十㎏ある鉄板が何枚も床に投げ出されているのをみて青くなる・・が、休憩時間だったのでそこに人はいないはずだ。
もし稼働中だったら大変なことになっていたはずだ。


そして余震。
また慌てて外へ飛び出す。
「ラックが崩れて・・!」の声を聞く。
余震は収まったが、もう中に入らない方が良いと判断する。
誰かが「東北で津波警報7メートルだって・・」と話しているのを聞く。
え?新潟とかじゃないの?東北なんてかなり距離あるのにあの揺れなの?と思いゾッとする。
電気が来てないこともあり、すぐに帰宅命令が出た。
信号が点いていないので気をつけて帰るように伝える。


想像以上に被害が深刻だとわかったのは車内でラジオを聞いた時だった。
東北方面の情報が一切入ってこない。尋常ではない。
子供は幼稚園に行っている時間か?寄った方が良いのか?と思うが、行き違いはまずいと思い家へ行く。
携帯をかけてみたがもちろんつながらなかった。
あわてて、でも安全運転を心がけて家に着くと、嫁と子供はすでに帰宅していた。
子供達はいつも通り元気そうだったので安心する。
電力も復旧していた(かなり早いほうだったらしい)


嫁が実家を心配する。
自宅と違って築40年以上のはずだ。崩れてなければいいが。
とりあえず自分一人で見に行くことにする。
通話はあいかわらず出来ないが、メールは通じるようになっていた。


車で5分ほど離れた嫁の実家につく。よかった、無事で被害もないようだ。
「じゃあ、お茶でも飲んでいく?」との誘いを笑って辞退して、今度は自分の実家へいってみる。
こちらも被害はないようだ。


・・そして、そこでテレビに映された大津波の映像を見ることになった。